中国の政策「循環発展先導(牽引)行動」(2017年発表)とは!?
- 環境政策
- ✎IRIEP事務局
- 2021/03/17
*画像はイメージ
2017年に発表された「循環発展先導(牽引)行動」は、中国の循環型経済の具体的な政策と捉えることができます。なお、題名の「循环发展引领行动」の和訳は「循環発展先導行動」としています。
目次を見るとつぎのように構成されています。
全9章、43の項目で構成されており、思想の指導からはじまり循環型産業、都市循環のそれぞれシステムの構築・完備、資源循環産業の強化、制度の深化、セーフガード措置、組織の強化などが細部にわたって示されています。
冒頭では「循環発展先導(牽引)行動」の理念を力強い言葉で述べています。
「循環発展はわが国の経済・社会発展の重要な戦略であり、生態文明を建設し、グリーン の発展を推進する重要な道である。(中略)経済成長のシフト速度、発展方式の粗放、構造的矛盾の強調、資源環境の制約強化などの問題が織り交ぜ合い、発展の質と効果を高め、グリーンサイクルの低炭素発展を推進する任務は更に切実である。(後略)」
43の項目の概略はつぎのとおりです。
- 1.全体の要求
- (1)思想の指導
- ・鄧小平理論、「三つの代表」の重要な思想
- ・習近平総書記の重要な演説精神の徹底した実行
- ・資源節約と環境保護の基本国策を堅持
- ・節約集約的な循環利用の資源観の確実に確立
- ・資源の効率と循環利用の努力
- (2)基本原則
- ・グリーンの方向への転換を堅持
- ・循環発展を生産生活様式のグリーン化の基本的なルート
- ・供給側の構造的改革を推進
- ・低消費、低排出、循環可能な現代産業体系の構築を加速
- ・生産、流通、消費の各環節のグリーン化、低炭素化、循環化を促進
- (3)主要目標
- ・2020年までに主要資源の生産率は2015年より15%増加
- ・主要廃棄物の循環利用率を54.6%前後
- ・工業用固体廃棄物の総合利用率を73%
- ・農作物わらの総合利用率を85%
- ・資源循環利用産業の生産額を3兆元
- (1)思想の指導
- 2.循環型産業システムの構築
- (4)企業循環型生産の推進
- 製品のエコ設計を推進
- ・エコロジカル設計ガイドラインの制定
- ・企業の全ライフサイクル管理の推進
- ・製品の設計開発段階における原材料の選択、生産、販売、使用、回収、処理等の資源や環境に与える影響を考慮
- 「3R」生産法の普及
- ・重点業種循環型企業評価システムの公表
- ・減量、再利用、資源化の原則を企業生産の各段階と全プロセスを通じた実行
- (5)園区の循環化発展を推進する
- ・新園区とアップグレード予定園区の循環経済発展特別計画の制定
- ・循環経済産業チェーンの構築
- ・企業、産業間の循環リンクの実現
- ・効果評価と業務審査の強化
- (6)産業循環式の組み合わせを推進する
- 業界間の循環リンクを推進
- ・産業グリーン統合特別プロジェクトを組織して実施
- ・冶金、化学工業、石油化学、建築材料などの流れの製造業間で水平的なつながりを展開
- ・様々な業種の物質フロー、エネルギーフローを媒介とした連携と共生
- ・原材料相互供給、資源共有の実現と業界を超えた循環経済産業チェーンの構築
- ・業界別循環型経済発展モデルの総括と重点業種循環発展ガイドの公表
- 農村の一次、二次、三次産業の統合開発を推進
- ・農業循環経済の発展を積極的に推進
- (4)企業循環型生産の推進
- 3.都市循環発展システムの完備
- (7)都市の低価値廃棄物の資源化利用を強化する
- 食厨廃棄物の資源化と無害化処理制度化と標準化を推進
- ・「食厨廃棄物資源化利用技術ガイドライン」の公布
- ・生ごみの登録、定点回収、集中処理、資源化製品評価制度の確立
- ・飲食厨廃棄物の不法回収処理に対する処罰力の強化
- 建築廃棄物の資源化利用を加速
- ・建築廃棄物管理及び資源化利用業務を強化するためのガイダンスの公表
- ・建築廃棄物資源化利用業界基準の制定
- 園林廃棄物の資源化利用を推進
- ・園林廃棄物回収利用システムの構築
- ・バイオマス固形燃料の生産
- ・園林廃棄物と生ごみ、糞便等の有機質との共同処理推進
- ・有機肥料、基質、土壌改良剤などの庭園廃棄物資源化製品の使用を奨励
- 都市部の汚泥の無害化処理と資源化利用を強化
- ・汚泥無害化、資源化処理施設の建設
- ・都市部汚水処理場の汚泥と生ごみ、糞便、園林廃棄物などの協同処理の推進
- (8)生産システムと生活システムの循環リンクの促進
- 生産システムと生活システムのエネルギー共有を推進
- ・熱電併給、熱電併給、冷房の組み合わせを積極的に開発
- ・鉄鋼、化学工業、その他の企業の廃熱を都市の集中熱供給に利用
- ・都市生活ゴミと汚水処理場の汚泥エネルギー化利用の奨励
- 生産システムと生活システムの水循環リンクを推進
- ・都市汚水処理再生水の都市の生態給水、景観及び鉄鋼、電力、化学工業などの工業生産システムに利用
- ・再生水の農業灌漑に用いる実証アプリケーションの開発
- ・鉱坑水の生産、生活、生態用水への使用推進
- 生産システムにおける都市及び産業廃棄物の共同処理を推進
- ・既存セメント窯を利用した危険廃棄物、汚泥、生活ゴミなどの共同処理を推進
- ・鉄鋼企業のクロムスラグなどの有害廃棄物の回収推進
- ・生活廃棄物の生産原料、燃料として資源化利用を奨励
- ・環境監督を強化し安全処理を確保
- ・関連パイロットモデルを推進し、長期効果のメカニズムの確立
- (9)循環経済モデル都市建設の推進
- 循環経済モデル都市(県)の建設を深化させ、101の循環経済モデル都市(県)建設地区の評価と受け入れを実施
- ・循環型都市の建設に関するガイダンスの策定
- ・都市の生産、生活、生態学的及び廃棄物処理スペースを計画的に配置
- ・グリーンインフラ建設の強化
- ・制度革新の徹底的な推進
- ・産業グリーン転換とグレードアップの促進
- ・循環型公共機関の評価基準の制定
- ・公共機関による節水型、省エネ型の組織建設の展開を誘導
- ・政府によるグリーン調達制度の充実
- ・政府によるグリーン購入商品リストの制定
- ・都市循環発展指数計算、発表、評価制度の確立
- (7)都市の低価値廃棄物の資源化利用を強化する
- 4.資源循環利用産業の強化
- (10)産業廃棄物の循環利用の推進
- 相互に関連する鉱山と尾鉱の包括的な利用を推進
- ・金属鉱物の総合開発と利用の試行モデルの展開
- ・尾鉱中の有価金属の効率的な分離抽出と高価値で効率的な利用の推進
- ・尾鉱と多元素回収の全体的利用の展開
- ・尾鉱と廃石を利用した建築材料と道路工事材料を生産することの支援
- ・資源枯渇採掘エリアの尾鉱の埋め戻しと尾鉱池の再生を実行
- バルク産業固形廃棄物の総合利用を推進
- ・冶金スラグ、化学スラグ、赤泥、リン石膏、電解マンガンスラグなどの産業廃棄物の総合利用を促進し、多くの基幹企業を育成
- ・鉄鋼スラグ、スラグ、石炭脈石、フライアッシュ、脱硫石膏の総合利用の強化
- ・「新型壁材の普及と応用アクション案」の実施
- ・産業固形廃棄物中の戦略的レアメタルのリサイクルを推進
- ・産業固形廃棄物の総合的に利用するための産業基盤を構築
- ・産業固形廃棄物の共同利用を強力に推進
- 農林廃棄物の資源化利用を強化
- (11)再生資源の回収と利用の質的向上の促進
- 再生資源の回収システムを改善
- ・従来の販売企業、Eコマース企業、物流企業などが販売、配送ネットワークを利用し、逆物流回収システムを構築することを推進
- ・再生資源企業がインターネット、モノのインターネット技術を利用して、オンラインラインの下に統合した回収ネットワークを構築することを支援
- ・再生資源企業が様々な廃棄物生産企業と協力し、業界の特徴に合った回収モデルを確立
- ・生活ゴミの分別回収システムと再生資源の回収のつながりを強化
- 「都市鉱物」の開発・利用水準を向上
- ・既存の国家「都市鉱物」モデル基地の品質と効率の改善を推進
- ・公園(基地)外の標準化された廃棄電気電子解体企業、廃自動車解体企業を開発のために公園に入れるように導き、集約化と大規模開発を促進
- ・再生資源の利用レベルを向上させるための指導的意見を公表
- ・再生資源業界の標準化された条件の実装を推進
- ・再生資源産業の標準化の発展を誘導
- ・重要な国家資源の再生利用のプロジェクトを展開し、基幹企業を育成
- 新しいタイプの廃棄物の回収利用モデルを展開
- ・太陽光発電モジュール、パワーバッテリー、炭素繊維材料、バイオ繊維、複合材料、省エネランプなどの新しいタイプの廃棄物のリサイクルを推進
- ・古繊維の資源化利用を推進
- ・古繊維の等級別利用メカニズムを確立
- ・慈善団体、コミュニティ、学校、ショッピングモールなどに古着回収箱を設置
- ・複数の回収ルートを確立
- ・軍服や警察の制服、プロの制服、学校の制服などの古びた制服の回収と資源化利用を推進
- ・アパレルメーカーに自らのブランドの古着回収を奨励
- ・廃木材家具、木材包装などの廃材回収利用システムの構築を推進
- ・物流業界の包装標準化と分類別回収利用の実証を展開
- ・生分解性テープ、環境保護の充填物、再生可能紙と環境保護のインクで印刷されたパッケージ物品などの補助材料の使用を促進
- ・企業の包装箱、袋の循環利用率の向上
- (12)再製造産業化の標準化された大規模な開発を支援
- 重点品種の再製造を推進
- ・厳格な品質とラベル管理
- ・自動車部品、建設機械、大型産業機器、事務機器などの再製造を推進
- ・大型タイヤのリトレッドを引き続き促進
- ・機械及び電気製品の再製造試験を継続して実施し、再製造企業の技術アップグレードと変革を支援
- ・再製造のネガティブリスト管理制度を検討
- ・再生品の流通制限規制を一掃し、再生品の販売と使用を奨励
- 再製造サービスシステムを標準化
- ・アフターサービスの修理システムを核とした、古い部品の回収システムを確立
- ・中古部品の再生専門リサイクル企業の開発を標準化
- ・廃棄された電気製品の回収企業をサポートし、トナーカートリッジ、インクカートリッジなどの中古再生部品を再製造企業に販売する具体的な方法を模索
- ・再生品の品質保証システムを確立
- ・再生品の自動車修理スペアパーツシステムへの組み込み
- ・専門再製造サービス会社の鉄鋼、冶金、化学工業、機械などの製造企業との協力
- ・機器の寿命評価と検査、洗浄と寿命延長などの再製造専門技術サービスを展開するよう奨励
- ・「軍事・促進・文民」の再製造技術の転換を推進し、産業の技術水準と規模を向上
- 再製造業の集積発展を推進
- ・長沙、張家港、臨港に全国の再製造産業の実証拠点(実証公園)を建設
- ・再製造産業実証拠点の建設を展開
- ・環境汚染が少なく、技術導入に有利な再生品の輸入を検討
- (13)地域の資源循環利用システムの構築
- ・地域内の産業固形廃棄物、再生資源、生活ゴミ資源化と無害化処理施設の計画と建設
- ・行政区域を跨ぐ資源循環利用産業基地を建設
- ・行政区域にまたがる廃棄物の共同処理情報プラットフォームを構築
- ・廃棄物の共同利用と処理を促進
- ・廃棄自動車の解体、有害廃棄処理などの行政区域を跨ぐ管理横断的な流れを促進
- ・資格の相互認識、政策、システムの協同を実現
- (10)産業廃棄物の循環利用の推進
- 5.制度供給の強化
- (14)拡大生産者責任制度の推進
- ・拡大生産者責任制度に関する法規制を充実
- ・拡大生産者責任制度実施計画」を実施
- ・廃棄電気電子製品処理基金制度を整備
- ・エコロジカル設計を推進
- ・重点業種の拡大生産者責任制度の信用評価制度を確立
- (15)再生製品と再生原料の普及利用制度を確立する
- ・生産企業が再生原料の使用割合を増やすよう指導
- ・再生品と再生原料の標準とカタログを分類して公表
- ・再生製品(再製造品)を政府が優先的に調達する制度を確立
- ・再生原料の使用比率を高める。建築廃棄物の再生品を普及
- ・一定の割合の建築廃棄物の再生品を使用することを支援
- ・大量の固体廃棄物が建材原料に代わることを推進
- (16)使い捨て消費品の制限使用制度の完備
- ・生産と販売を制限する一回限りの消費品リスト及び管理方法を制定
- ・一回限りの消費品を制限する関連政策を制定
- ・繰り返し使える代替製品の開発を支援
- ・使い捨て製品のエコロジカル設計基準を制定
- ・リサイクル率を向上させる研究を実施
- (17)循環経済評価制度の深化
- ・循環経済評価指標システムを構築
- ・達成状況を地方自治体に対する評価
- ・国家レベルの資源生産率指標の定期的なリリース制度を確立
- ・循環経済発展水準の評価指標を公表
- ・循環経済発展指数、都市循環発展指数などの総合的な評価方法を確立
- ・地域循環発展指数を公表
- (18)循環経済基準と認証制度の強化
- 循環経済標準制度を健全化
- ・製品のエコロジカル設計基準を確立
- ・循環生産方式の技術管理標準化を推進
- ・循環経済実践技術ガイドラインと業界循環経済パフォーマンス評価基準を健全化
- ・産業廃棄物の総合利用、再生資源のリサイクル、再製造などの基準を充実
- ・再生原料及び製品、レストラン廃棄物の資源化製品、廃棄物建築材料などの製品基準の健全化を加速
- ・社会団体が資源循環利用分野の団体基準を制定することを支援
- 標準化された循環経済認証と認可、検査、計量保証制度を確立
- ・標準化された循環経済認証と認可、検査、計量保証制度を確立
- ・再製造企業の生産品質システム認証を実施
- ・再生品の認定を推進
- ・第三者認証機関が再生品、再製造製品などのグリーン製品認証を実施することを支援
- ・循環経済検査測定技術サポートシステムを確立
- ・エネルギー測定の技術サービスとエネルギー測定審査を強化
- (19)グリーン信用管理制度の推進
- ・企業の行政許可、行政処罰、「ブラックリスト」などの情報を法律に則って公表
- ・企業の循環経済信用評価制度を確立
- ・再生製品、再製造製品の品質情報などを全国信用情報共有プラットフォームに組み入れる
- ・企業のグリーン(環境)信用評価の展開を支援
- ・信用喪失企業に対しては「ブラックリスト」制度を確立
- (14)拡大生産者責任制度の推進
- 6.循環発展の新しい運動エネルギーを励起
- (20)科学技術革新の駆動力の強化
- ・循環経済共通の主要技術の研究開発を統括的に支援
- ・減量化、再利用と再製造、廃物資源化利用、産業共生と連携などの分野の主要技術、プロセスと設備の研究開発を加速
- ・資源循環利用企業と科学研究機関、高等教育機関が産学研技術革新連盟設立の支援
- ・循環経済技術、設備の選択と普及メカニズムの健全化
- ・適用と普及のための情報プラットフォームの確立
- (21)シェアリングエコノミーの発展
- ・消費コンセプトを革新し、シェアリングエコノミーの供給構造を最適化
- ・シェアリングエコノミーを精力的に発展
- ・製品のライフサイクルを延長
- ・資源の利用効率を向上
- ・共有利用方式と時間貸しの新たな事業形態の探求
- ・機器リース産業の発展とアウトソーシングサービスの発展を推進
- ・専門の循環型生産サービス企業を育成
- ・製品メンテナンスの専門化レベルを高める
- ・専門共有プラットフォームの構築を奨励
- ・商品、情報、サービスを共有するオンライン取引を実現
- (22)グリーン消費の拡大
- ・省エネ、節水、環境保護、資源の総合利用、再生品、再生製品の使用を推進
- ・新エネルギー自動車の普及を促進
- ・電気自動車の充電インフラの建設を加速
- ・生物飼料、生物肥料、生物農薬、バイオフィルムなどのグリーン農業生産材料の使用を促進
- ・グリーン製品の統一表示、認証制度を充実
- ・企業のグリーン調達を推進し、グリーンサプライチェーンを構築
- ・都市交通システムを整備
- ・住民に対して公共交通と自転車による移動を啓蒙
- (23)革新的なサービスメカニズムとモード
- ・資源循環利用のための第三者サービスシステム構築の積極的推進
- ・工業団地、廃棄物管理、回収、再生加工と循環利用の全体解決方案の提供
- ・住民コミュニティ、病院、学校等の公共機関の生活ゴミ資源化、無害化処理の展開
- ・生活ゴミ、再生資源回収処理の利用ネットワークシステムへの接続促進
- グリーン製品の品質責任保険、環境汚染強制責任保険の普及
- ・循環経済情報システムと技術コンサルティングサービスシステムの構築
- ・循環経済発展のための計画、設計、建設、改造、運営等のサービス提供専門会社の育成と支援
- (24)資源循環産業が「グローバル化」することを支援
- ・「一帯一路」戦略の実施
- ・循環経済理念モデルの国際交流強化
- ・主要技術と設備の輸出入貿易規模の拡大
- ・海外請負工事への協力
- ・国内資源循環利用企業の海外投資支援
- ・海外資源の現地転化と処理能力の強化
- ・海外再生資源の資源安全保障源
- ・再製造製品の国際市場進出の推進
- ・再製造製品の性能安定性、品質信頼性等の欧米諸国基準への適合
- ・再製造技術と現場修復技術の育成
- (20)科学技術革新の駆動力の強化
- 7.重大な特定項目行動の実施
- (25)公園の循環変革行動
- ・「公園循環変革行動」実施の制定
- ・地域内公園の循環変革計画の策定
- ・循環化変革マニュアルと評価システムの公表
- (26)産業農業複合型循環経済モデル区の建設活動
- ・20の産業農業複合型循環経済モデル区の建設
- ・農業と工業、観光、教育、文化、健康と高齢者ケア等の産業推進
- ・産業農業複合型循環経済産業チェーンの形成
- (27)資源循環利用産業の実証拠点の建設
- ・100以上の都市への都市資源循環利用産業実証拠点の配置
- ・都市低価値廃棄物協同処理拠点の建設
- ・統一収集運搬システムの整備
- ・標準化された生ごみ、建築廃棄物等の収集処理企業管理制度の確立
- ・廃棄物の集中的かつ大規模な処理、利用の推進
- ・エネルギー、水資源と固形廃棄処理施設の一体化建設を強化
- ・産業廃棄物循環利用産業拠点の建設
- ・産業廃棄物情報取引プラットフォームの構築
- (28)工業資源を総合的に利用するための産業拠点の建設
- ・50の工業資源総合利用産業拠点の建設
- ・工業資源総合利用の重要実証プロジェクトの展開
- ・工業固体廃棄物の総合利用の加速
- ・先進技術・設備と製品の普及応用促進
- (29)「インターネット+」資源循環行動
- ・「インターネット+」資源循環行動案を公表
- ・建設業界統合回収ネットワークの支援
- ・「インターネット+リサイクル」の新モードの普及
- ・全ライフサイクル追跡メカニズムの構築
- ・廃棄物情報プラットフォーム構築への参加支援
- ・産業共生プラットフォームの構築
- ・全国的産業廃棄物、再生資源オンライン取引システムと価格指数の形成
- ・自動車修理、自動車保険、中古部品回収、再製造、解体等の自動車製品アフターサービスの全ライフサイクル情報の共有支援
- ・再生資源オンライン回収プラットフォームの構築
- (30)北京-天津-河北地域における循環経済の協力発展
- ・再生資源、工業固形廃棄、生活ごみの資源化利用と無害化処理施設計画
- ・資源総合利用の共同開発実証プロジェクト
- ・資源循環利用システムの構築
- ・再生資源の専門化・標準化された回収システムの建設推進
- ・再製造産業実証基地
- ・生産生活システム循環リンクの推進
- (31)再生品の普及行動
- ・30程度の再生品普及プラットフォームとデモンストレーションアプリケーションの構築
- ・電子電気機器メーカー、自動車メーカー、繊維メーカー等の生産プロセスでの再生材料の普及
- ・再生品支援と再製造企業との協力
- ・建築廃棄物再生品の普及適用の展開
- (32)資源循環利用技術の革新的行動
- ・循環発展マクロ戦略、制度革新、政策メカニズムと主要共通点又はボトルネック式技術と設備の研究開発
- ・資源利用効率と循環レベルの基礎理論と評価メカニズムの研究推進
- ・固形廃棄物の循環利用技術と産業化、バイオマス廃棄物の高効率化を強化
- ・固形廃棄物のリサイクル管理、共通性技術革新の深化と地域循環発展モデルの強化
- (33)循環経済の典型的な経験モデル普及行動
- ・循環経済の典型的経験モデル、重点業種の循環経済発展モデル、典型的モデルケースを総括し、社会に普及
- ・循環経済発展のためのガイドラインの制定
- ・循環経済の典型的な事例とモデル経験を公表
- ・指導幹部、政府及び企業管理者へ普及
- (34)循環経済イノベーション試験区の建設行動
- ・循環経済イノベーション試験区の建設を展開
- ・製品エコロジカル設計の推進
- ・目標回収制度と企業回収アライアンスの試行展開
- ・使い捨て製品の使用制限制度の試行実施
- ・使い捨て製品の使用制限の具体的措置の探求
- (25)公園の循環変革行動
- 8.セーフガード措置の改善
- (35)法規制の体系を健全化
- 循環経済推進法の改正を推進し、法的拘束力を強化
- ・地方自治体による現状に基づく循環経済推進条例又は実施措置の策定
- ・廃自動車回収管理策の改定
- ・自動車部品の再製造、生ごみの資源化、無害化処理、商品過剰包装、鉛蓄電池リサイクル等の管理方法の制定
- ・強制回収製品、包装材料リスト、管理方法、建築廃棄物回収、資源化利用管理措置、電気自動車蓄電池回収利用管理措置の公表
- (36)価格、税金、手数料政策の整理
- 価格改革を深化
- ・住宅電気、水道、ガス価格の全面的な推進
- ・石炭火力発電所の脱硫、脱硝、集塵価格政策の全面的実施
- ・石炭鉱脈、ゴミ、バイオガス発電の奨励
- ・下水処理有料政策の実施
- ・ゴミ処理有料管理方法の充実と徴収率の向上
- 税収の強化
- ・資源税・従価税改革の全面的実施
- ・資源節約と集約的利用の促進
- ・付加価値税政策の実施(資源と労働サービス)
- ・法人税優遇政策の実施(資源と環境保護、省エネ及び節水設備)
- ・関税と輸入付加価値税の免除(主要な輸入部品・原材料)
- ・廃棄電気製品回収処理基金の実施
- (37)財政と金融政策の最適化
- 財政資金支援方式の革新
- ・既存資金調達ルートを利用した循環経済の支援
- ・財政資金と社会的資金調達の連携の強化
- ・生ごみ、建築廃棄物、再生資源回収等分野へのPPPモデルの導入
- 融資方式の革新
- ・銀行信用、外国政府融資転換、債券引受、保険、融資賃貸等の多重融資方式の積極的提供
- ・グリーンクレジットガイドの実施
- ・資源循環利用企業の支援
- ・国内株式移転システムと地域の株式取引市場上場等の方式による融資
- ・積極的にグリーン債ガイドの実施
- ・グリーン格付けシステムの健全化
- ・資源循環利用プロジェクト建設の支援
- (38)統計的能力開発の強化
- ・重要な資源消費状況の統計モニタリングメカニズムを段階的に確立
- ・地域、産業、公園、企業による資源の消費、汚染排出などの動的な説明を確立
- (39)監督と管理の強化
- 廃車の違法改造、組立と電気電子製品の違法解体企業と配送センターの取締継続
- ・無許可営業、環境基準と安全基準未達の中小企業、ブラックワークショップ、輸入固形廃棄物の管理強化
- ・「海外ゴミ」密輸を取締り強化
- 重点分野の標準化された管理を強化
- ・廃自動車、廃棄電気電子製品の解体企業の資格管理
- ・鉛蓄電池などの特殊製品の管理の充実
- ・廃船の監督・管理の強化
- ・定点解体の実行
- ・再生品ラベルの使用監督と検査の強化
- ・製品品質の監督と抜き取り検査の強化
- ・超薄型レジ袋の製造に対するチェックの強化
- ・商品の過剰包装に対する監督・検査の強化
- (35)法規制の体系を健全化
- 9.組織と実装を強化
- (40)地域の仕事の責任を実行
- 地域各級政府関係部門の循環発展に対する組織指導と統括協調の強化
- ・本地域の循環発展計画策定又はリード行動の策定
- ・本地域の循環発展促進のための政策制定
- ・地域仕事協調機制の確立
- ・関連統計と評価業務の強化
- (41)企業の主な責任を明確化
- ・循環型生産方式に従った生産組織化の推進
- ・利用効率の向上と廃棄物排出削減の推進
- ・拡大生産者責任制度を実施
- ・全ライフサイクル管理制度を確立
- (42)社会全体の参加を広く動員
- ・宣伝と指導の強化
- ・国民教育システムと党政治指導幹部養成計画の組込み
- ・少資源・集約的利用資源観の確立
- ・循環経済理論、政策、技術、モデル交流の強化
- ・循環経済発展効果の宣伝強化
- ・循環経済先進技術の導入、吸収、再革新の加速
- ・中国、日本、韓国での循環経済モデル基地建設の推進
- (43)組織の協調を強化
- ・循環経済活動部間の会議メカニズムのさらなる発展と組織協調の強化
- ・指導行動実施の計画的な推進
- (40)地域の仕事の責任を実行
欧州委員会が発表した「欧州循環経済行動計画」と比較すると共通点が多くあると感じられ、また、日本の「循環経済ビジョン2020」と比較すると実効性がとても高い内容になっていると感じます。
また、中国の最近10年の動きを見ると「循環発展先導行動」は、EUが2020年に発表した「欧州循環経済行動計画」よりも3年早く、世界的な循環経済の流れを確実に実行していると思われます。
【参照サイト】中国循環経済協会「循環発展先導行動」
【参考資料】 中国「循環発展先導行動」(仮和訳).pdf
※ 記事及び参考資料の日本語訳は弊法人による仮訳であり、内容の正確性を保証するものではありません。