NPO法人RUMアライアンス
RUMアライアンスは、自動車の解体と資源循環を担う事業者の集まりである。NPOとしての活動は、使用済み自動車の適正な解体と資源循環を現場から社会へ伝えることにある!
- ✎小杉 隆
- 更新 2021/12/7
事務局 | 〒104-0061 東京都中央区銀座6-6-1銀座風月堂ビル5F |
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代表理事 | 赤須 洋一郎 |
主な事業 | 不特定多数の個人及び団体に対する自動車リサイクルの社会教育事業 不特定多数の個人及び団体に対する自動車リサイクルの広報事業 自動車リサイクルにおける技術・システムおよび機器装置の開発事業 自動車リサイクルで発生する物品の流通ネットワークの開発事業 自動車リサイクルで発生する廃棄物の再利用のための用途開発・研究事業 自動車リサイクルに関する国際協力事業 |
ホームページ | https://www.rum-alliance.com/ https://www.recycletour.com/ |
RUMアライアンスの代表を務めるのは茨城県の水戸市に本社を置くカーレポ株式会社代表取締役の赤須洋一郎氏だ。初代代表の近藤典彦氏(会宝産業株式会社代表取締役会長)から代表を引き継いだのは2018年。RUMアライアンスは、新しいスタートを切った。前代表近藤氏のカリスマ的な牽引力を秘めつつ、赤須氏の柔和な人柄と繊細な感性、環境と産業の変化にあって、状況を見極めながら判断し行動する姿勢は、中小企業団体のリーダーとして、新しい未来を予感させる。
RUMアライアンスの強みはなんといっても会員企業の現場力だ。使用済み自動車からまだ使える部品を取り外し、廃油を抜き取り、鉄・非鉄・プラスチック等に選別しながら解体する。
解体作業は圧巻だ。ニブラと呼ばれる爪のついた重機を熟練した操縦士が操り、車をみるみる解体していく。手作業の何倍もの速さで解体するのだ。
RUMアライアンスが取り組む事業の一つが「自動車リサイクルの現場を活用した周知活動」だ。この事業は、2020年に公益財団法人自動車リサイクル高度化財団の助成事業として採択された。事業の目的は、使用済み自動車のリサイクルの流れ、リサイクルの業種を知る一般の人は少ないことから、自動車の解体現場を活用した自動車リサイクル法の周知活動と同時に自動車解体業者が担っている資源の循環、すなわち静脈産業の重要性を知ってもらうことだ。そこでRUMアライアンスは工場見学を前面に出した。
工場見学の様子[カーレポ社・会宝産業社]
そして、これまで工場見学を受け入れてきた会員企業のノウハウをマニュアルにまとめて受け入れ企業の研修用として活用し、さらに見学者の興味を引くための動画、小冊子の制作を行った。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、人との交流が難しくなったことから、オンラインでも工場見学に対応する「バーチャル工場見学」を立ち上げた。
見学者は、遠方からでもバーチャル画面を通して、自動車の解体を学ぶことができる。さらに充実を図るために見学希望者と会員企業をつなげるマッチングサイトの機能アップを目指している。
こうした地道な取り組みが評価されることによって国内の各地域で、さらには海外で使用済み自動車の適正なリユースとリサイクルが認知され発展していくことは間違いない。
[ 2013/12/13 RUMアライアンスメンバー 会宝産業本社にて ]
これからのRUMアライアンスについて、赤須代表の描くビジョンを聞くと「RUMアライアンスメンバーに限らず現場を活用した情報の発信。情報を分かりやすくして、使ってもらう機会を増やしていく。関係団体との協力関係を構築し、自動車リサイクルの高度化と周知を目指していきたい」。そこには、赤須代表の資源循環への強い理念がある。第二代代表の赤須洋一郎氏は、初代代表の近藤典彦氏が掲げる「適正な後始末」を「ものづくりの起点」たる資源循環DXにさらに向上させていくことだろう。
[ 2021/12/7 カーレポ社ひたちなか事業所にて ]
【参照サイト】NPO法人RUMアライアンス
【参照サイト】自動車リサイクル工場見学紹介
【参照サイト】自動車リサイクル工場見学紹介チャンネル
【参照サイト】自動車リサイクルって知ってる?
【参照サイト】自動車解体工場って行ったことある?
【参照サイト】バーチャル工場見学 自動車リサイクルのしくみ【VR360度】
【参照サイト】小冊子『自動車リサイクルの話をしよう』
【参照サイト】カーレポ株式会社